偏差値。
誰もが聞いたことのある言葉だと思いますが、それがどんなものなのか、正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?特に小中学生には。
偏差値とは、集団の中での自分の位置を相対的に知ることのできる指標です。何のために?とか、点数がわかればいいんじゃないの?とか、いろいろ思う人もいると思うので、簡単に説明しますね。
そのテストを受けた人の中で自分はどれくらいの位置にいるのか、点数だけでは正確にはわかりません。
たとえば、あるテストを受けて数学60点・英語80点を取ったとします。単純な点数だけでみると英語の方がいいように思えるけれど、平均点が数学40点・英語90点だったとしたらどうでしょう?数学は難しく、平均点が低いのにもかかわらず、ずいぶん健闘していますが、簡単な英語のテストでは平均以下の点数を取っていることから、単純に英語の方がいいとは言えませんよね。
このように、平均点と比較して上なのか下なのかを知ることはとても重要です。
また、同じ平均点だとしても、得点のばらつきを考慮することも必要です。
たとえば5人の人が理社のテストを受けたとします。理科は4人が100点で1人が0点。社会は5人とも80点。どちらも平均点は80点ですよね。ここでもし、6人目のあなたが両方とも90点をとったら?どちらも平均点は81.7点になり、あなたは両科目とも平均点を超えています。が、理科は1人の人が特別できなかっただけで、集団の中であなたは優秀な方とは言えないですよね?だって4人も100点がいたんだから。逆に社会は誰よりも良い点を取っているので、優秀な成績といえます。
このように、周りの人がどのくらいの点数を取っているのか、その分布はとても重要なのです。
まとめると。
集団の中での位置を知るには、
?平均点との差
?点数のばらつき(標準偏差といいます)
を考慮することが必要であり、それを数式に当てはめてはじき出された数値が偏差値なのです!
ふぅ。前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
偏差値80はどのくらいすごいのか。
集団の真ん中、つまり平均点が偏差値50。
偏差値が50以上だと平均以上、50未満だと平均より下、偏差値が高いほど良い成績である、というのは皆さん知っていますよね。
一般的な偏差値の分布割合をみてみると、次のようになります。
偏差値40?60の間・・・約68.3%
60以上(40以下)・・・約15.9%
70以上(30以下)・・・約2.3%。1000人に23人しかいない計算です。
一般的なテストでは、ほとんどの人が偏差値25?75の範囲に収まるとされています。
そしてそして。
80以上(20以下)の割合はなんと約0.13%!
偏差値80というのは、10000人に13人しかいない超エリートなんです!
また、高校生ならまだしも中学生のテストでは、偏差値80はめったにお目にかかれません。ふつうは100点満点のテストではそこまで差がつかないので、100点を取っても偏差値は70?75程度になることが多いからです。
偏差値80というのは、平均点がかなり低い、難しいテストで高得点を取らないと出ない数値なんです!
偏差値80のすごさ、わかっていただけたでしょうか。
実は、その偏差値80を中学最後の模試で取った生徒がいます。
富士吉田教室中3A クラスに通う 佐藤 恭誠くん(下吉田中)。
1月末に行われた中学最後の模試において、数学100点、偏差値80を叩き出しました!
5科目偏差値は70、全体順位20位という好成績をおさめた恭誠くん。非常に優秀ですが、皆さんの中には、「こういう成績を取っている人って自分とは別世界の人間だし・・・」って思っている人、いるんじゃないですか?でも違うんです。実は最初からずば抜けた成績を取っていたわけではなく、たゆまぬ努力の結果、たどり着いた境地なのです!
では、成績の推移を本人の話を交えながら見ていきましょう。
中1 2学期期末テスト 英語15点。学年順位120位。
え?!びっくりしませんか?まさかそんなところからスタートだったとは・・・
恭誠:正直、中1のころは勉強をさぼっていた。授業に対する姿勢も真剣さに欠けていたと思う。中1の2学期にこのような点数・順位を取り、母親にこっぴどく怒られ、初めて危機感を覚えた。このままではヤバいと思い、まずは学校でも塾でも授業を真剣に聞くことと、家庭学習の習慣をつけようと思った。
家庭学習の大切さに気付いた恭誠くん。取り組む中でうまくいかないこともありましたが、そんな時支え・励みになったのがライバルの存在。
恭誠:甲斐ゼミ富士吉田教室のAクラスには、同じ中学校・同じサッカー部という自分と同条件の存在が2人いた。その2人は成績もすばらしく、授業中の返答などでもよく褒められていて、「こいつらすげーな。何でも知っていて、何を問われてもすぐ答える。いつかこいつらに肩を並べたい。」と常に思っていた。自分で家庭学習を始めたものの、なかなか成果が上がらず悩んでいた時に、ふと彼らの勉強法を知りたくなり、思い切って聞いてみた。すると2人は惜しげもなく勉強方法を教えてくれ、色々と試してみたくなった。そして彼らと勉強や志望校の話をする機会が増えていき、甲斐ゼミの自習室にも誘い合って行くようになった。2人の学習の仕方を間近で見ることで刺激を受けるとともに、本当に参考になった。2人に勉強面でのライバルと認められた気がして、とても嬉しく、やる気になった。自分にとってかけがえのない、良きライバルたちです。
共に高め合える存在がいたことで、成績は右肩上がり。
甲斐ゼミ模試において成績優秀者一覧の左の列(33位以内)に名前が掲載されることを目標に頑張った結果・・・
《中3 模試成績の推移(抜粋)》
4月模試 5科目偏差値52・数学偏差値53
↓
9月模試 5科目偏差値56・数学偏差値70
↓
11月模試 5科目偏差値65・数学偏差値73
↓
1月模試? 5科目偏差値70・数学偏差値80
1年間で5科目偏差値が18も上昇し、見事目標達成!
名前が左の列に掲載されるとともに、数学の偏差値にいたっては27も上がり、80という快挙。
恭誠:数学に関して、特に得意だという意識はない。ただ、周りと解法がよく異なっていて、たまたま正解したのか、考え方として間違っていないかを先生に何度も聞きに行った。1つの問題に対し、難しく考えずに自分の知っている知識でやれば必ず解けると思って取り組むようにしている。
また、苦手だった英語の偏差値も61まで上昇。
恭誠:特に克服したいと思ったのが英語。とにかく授業を真剣に聞き、習ったことはその時にしっかりと覚えるように心がけた。長文は慣れが重要だと思い、とにかく解きまくって、長い時間をかけて英文と向き合った。
中1の2学期期末テストで学年120位だった恭誠くんは、
2年後、中3 3学期期末テスト 学年1位。
また、2位・3位は同じ甲斐ゼミかつサッカー部のライバル2人。3人でTOP3独占となりました。
うまくできすぎだと思うかもしれませんが、すべて本当の話です。事実は小説より奇なり。
最後に、恭誠くんから勉強法について注意点。
恭誠:目標もしっかりと定まり、科目ごとの課題も見つかってある程度家庭学習も定着してきてから、成績は安定するも伸びなくなるという時期があった。そんな時、塾の先生から「同じことの繰り返しでは、ある程度までは伸びるが、そこで終わり。成績の段階によって勉強法を変える必要がある」と言われ、目から鱗だった。自分の成績で今どんな勉強法が適しているのかをすぐに塾の先生に聞いて、その都度内容・方法を確認しながら家庭学習に取り組んだ結果、また成績が上がるようになっていった。
その時の自分に適したやり方を見つけることは非常に大事なんですね。
また、担当の先生曰く、彼は「疑問に思ったことを放置せず、わからないことをきちんと聞ける生徒」なんだそうです。疑問点をそのままにすると、どんどんわからないことが増えていって、気づいた時には手遅れになっていることがままあります。皆さんもわからないことは先延ばしにせず、その日のうちに解決する習慣をつけましょう。
恭誠くん、ありがとうございました!
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本日は山梨県公立高校後期入試。
中3生たちが今まさに試験に取り組んでいる最中です。
ということは、現在の中2生はちょうど1年後・中1生は2年後に入試を迎えるということ。
今の成績で行けるところで・・・と考えている人がいたら、それはとてももったいないことです。今すぐ考え直しましょう。
あと1年・2年の過ごし方によって、ここまで劇的に成績が向上するということを、先輩が示してくれました。
これからの頑張り次第で、誰にでもチャンスがある!偏差値80も夢じゃないってことです。
第2・第3の恭誠くんが誕生することを期待します。
(後藤)