「これ落ちてましたー」
ある日、上野原教室で小学生が持ってきた消しゴムがこれ。
消しゴムカバーの四つの面には見覚えのある顔が・・・
目だけになっているものもありますが、
?福沢諭吉。言わずと知れた一万円札の顔。
?大隈重信。国会開設に向け、立憲改進党を結成。総理大臣にもなりました。
?陸奥宗光。条約改正に辣腕をふるった外務大臣。
?? だ、だれ・・・?
絵ではなく像なうえ、顔の部分以外が切り取られているので、服装・帽子の形からの時代推測もできないし・・・
持ってきてくれた小学生に聞いてみると、
「源頼朝!」
え??私が知っている源頼朝と違うんですけど・・・皆さんもそう思いませんか?
この消しゴムの持ち主は、中3のユウスケくんでした。
小学校の資料集についていたシールを貼って作ったそうです。
4人の人物は「ビビッときた人」をチョイスしたとのことですが、本人に聞いてもやはり「源頼朝」という答えが返ってきました。
えーっ?!源頼朝と言ったら国宝のあの絵↓じゃないの?!
でもそういえば別人説もあったような…
このイメージの人も多いのでは?
この絵、昔ははっきり「源頼朝像」とされていました。
が、十数年前から「伝源頼朝像」などと記載されるようになり、その数年後から姿を消した教科書も。
現在郡内地域の中学校で採用されている教科書(『中学社会歴史』教育出版)では、「源頼朝と伝えられる肖像画」という、何ともあいまいな表現で載っていました。
この肖像画の人物は源頼朝ではなくて、足利尊氏の弟・足利直義だという説が有力のようです。
そのほかにも、聖徳太子だとか足利尊氏だとか武田信玄だとか、たくさんの有名な肖像画に別人説があったり、ザビエルのあの有名な肖像画は日本人絵師がザビエルの没後80年くらいたってから想像で描いたもので、西洋の肖像画↓を見ると髪の毛がふさふさで端正な顔立ちだったり・・・
新説によって常識が覆されていくのって、衝撃的で面白いですよね。
西暦みたいに、実はキリストが生まれたのは紀元前4年頃だって後から言われても、もう今更変えられないものもありますが。
現在皆さんが習っている歴史も十数年たてば変わっているかも!
さらにザビエルといえば、イエズス会の創設メンバーとして有名ですが、現在のローマ法王(教皇)は初のイエズス会出身者ですよね。日本での布教活動から470年くらいたって、ついにここまできたかーと思うと、なぜだか感慨深い思いがします。
つまり何が言いたいのかというと、歴史はロマン!楽しいよ!ってことです。
「何のために歴史を学習するのか?昔のことを習ったって意味ないよー」という声もよく聞きますが、そんなことはないと声を大にして言いたいです。
歴史を学ぶことはまさに温故知新。
昔を知ることで新たな知見が得られます。
教養を身につけると視野が広くなり、人生が豊かになりますよ。
今週末、22日(土)からついに冬期講習が始まります。
予習課題は終わっているでしょうか?
わからなかったところのやり直しを含め、万全の状態で臨みましょう!
(後藤)