レクリェーションからの失敗学

小学生のレクリェーションの後に撮影された2枚の写真をご覧ください。新聞紙とセロハンテープのみでタワーを作って高さを競う「新聞の塔」コンテストを行いました。全29棟の中で自立を保ったのはわずか4棟。246cmの最高記録を打ち立てた作品も、計測直後に音もなく倒壊してしまいました。前年に比べて低い完成率の背景には何があるのでしょう。まず一つは、事前の計画性が乏しいことです。昨年の作品の印象が強いためか、出来上がりのイメージばかりが先行して、地道に高さと強度を積み上げていくプロセスが欠落していました。設計用に渡した用紙はほとんど活用されず、いきなり作業に取りかかるグループが多数見られたのは残念です。もう一つは高望みによる失敗です。高さが増せばリスクが増大するのは当然。身の丈を越えた多くのチームの塔は途中で折れてしまいました。「水を飲むキリン」のような残骸をご確認ください。何事にも失敗はつきもの。大切なのはそこから教訓を得ることです。息抜きのはずのひとときが皮肉にも深い学びの場となった合宿2日目。ステージ上の廃墟は、静かに語ります。(Kikuta)